人材戦略

メディパルグループは、「人」が事業の重要な基盤の一つと考えています。人権を尊重し、従業員のキャリアプランに寄り添いながら、人的資本への投資を積極的に進めています。心理的安全性の高い職場の中で、多様な価値観を肯定し、誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材を育成します。人を中心に事業の変革を促し「医療と健康、美」の事業フィールドにおいて多様な方向へ発展し続ける企業をめざしています。

人材戦略の考え方

社内外の環境変化が激しい時代において、企業価値を持続的に向上させるためには、経営戦略のみならず人材戦略も中核的な戦略となります。経営戦略を遂行する人材の重要性を認識し、経営戦略と人材戦略を連動させた取組みを行っていきます。そのため、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーに対して、人材戦略を含め人的資本の可視化を進めています。
メディパルグループの経営理念を実現し、未来を担う人材像として「未来志向型人材」を定義しました。人材要件を明確にしたうえで、採用、育成、人事制度、評価・報酬などを見直しながら、「未来志向型人材の育成」を積極的に推進し、「創造性豊かな企業文化の醸成」および「多様な人材活躍」を促す施策を実践していきます。これらを強力に推進していくために、2022年10月に人材戦略部を設置しました。

人材要件

  • 共通の価値観
  • メディパルグループの人材は「誠実」「倫理観」「使命感」を共通の価値観として、意思決定の基準とし、大切にしています。
    「誠実」・・・常に真心を持って、公正・正直に行動している。
    「倫理観」・・法律、業界ルールはもちろんのこと、世間一般の常識に沿っている。
    「使命感」・・組織や自らのあるべき姿に向かって、責任を持って行動している。
  • メディパルグループの未来に向けて、事業基盤を強固にし、変革を推進しながら多様な方向へ事業を発展させるための人材(未来志向型人材)要件として、「経営理念を伝える」「豊かな創造性」「本質を見極める」「周囲を巻き込む」「コミュニケーション」「分析・課題抽出・解決」の6つを定めています。
メディパルグループの未来志向型人材
人材像 具体的行動
経営理念を伝える
(ビジョンを持って伝える)
  • 常に経営理念を実現するための意思決定をする。
  • 自ら明確なビジョンを設定し、情熱を持って周囲の人に語り共感させる。
豊かな創造性
(新たな価値創造)
  • 多方面からの情報を収集し、新たな社会価値・顧客価値を創造する。
  • 既存のやり方にとらわれず、過去の延長線上から脱却できる革新的・独創的アイデアを提案する。
  • 物事を外から見る目を持っている。
本質を見極める
(自分への問い)
  • メディパルグループの存在意義、自らの存在意義を自分に問い続ける。
  • 何のために取り組むのかを自らに問い、手段が目的にならないようにする。
  • 自他の成長のための努力を惜しまない。
周囲を巻き込む
(チームワークとネットワーク)
  • 自らが所属する組織のみではなく、部門を超えて周囲の協力を引き出しながら一体感を醸成する。
  • 組織目標達成のために、リーダーシップを発揮している人に自ら積極的に協力し、守備範囲以上の仕事をしながら建設的な意見を述べる。
  • 常に自らのアンテナを高くし、情報・人的ネットワークを広げる。
コミュニケーション
(高い対話力)
  • 他者と信頼を構築しながら話を傾聴し、本音ベースでの対話を実践する。
  • 的確なフィードバックと自由闊達で建設的な意見交換を実践する。タフな会話ができる。
  • 他人の意見を聴くことで、自らの成長につなげる。
分析・課題抽出・
解決

(組織課題への取組み)
  • 科学的に自らが所属する組織の現状を分析・課題を抽出し、主体的に課題解決に取り組む。
  • できない理由を探すのではなく、どうしたらできるのかを考え、常にスピード感を持って行動に移す。

人材育成

サステナビリティの重要課題(マテリアリティ)として、「未来を担う人材の育成」と「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を明記しています。人材の育成は、各職場におけるOn-the-Job-Training(OJT)を基本とし、職能ステージ、専門性、テーマに沿った豊富な研修を実施しています。また、性別・国籍・経歴などにとらわれず、だれもがかがやきながら元気に活躍できるよう、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
2022年9月、メディパルグループでは職場風土調査を実施し、その結果を分析し、人材育成の施策立案に役立てています。同調査は、従業員エンゲージメントやワークエンゲージメントに関連する項目を含んでおり、社員と会社の結びつきや仕事に対する意欲を測定し、高めていくことを目的の一つとしています。今後も、毎年同調査を実施しながら人材育成への取組みを検証し、事業成長を支える人材育成を進めていきます。

人材配置

メディパルグループは、社員一人ひとりとの対話を大切にし、個々のキャリアに寄り添うことを基本原則としたジョブローテーションを行っています。また、社内公募による意欲の高い人材が活躍できる機会の創出、メディパルグループ会社間の人材交流など、組織戦力の最大化を図るための適正な人材配置を実施しています。

研修

研修
人材育成の
取組み
目的
新入社員教育 社会人、企業人、そしてメディパルグループ社員としての基本動作、知識の習得
若手社員、
中堅社員研修
モチベーション向上および業務遂行のために必要な知識、スキルの習得
役職者研修 マネジメントや人材の育成に関する知識の習得
通信教育 キャリア形成における個々のニーズに合わせたスキルアップの推進

次世代リーダーの育成

中長期の視点に立ってグループ全体の戦略立案と実行ができる、自由な発想と創造性に富む人材を育成することを目的として、外部講師を招いた研修を実施しています。受講者は議論を重ねて新規事業を発案・企画し、最終的に経営陣の前で発表を行います。その案件は正式に採用されるケースもあります。2011年から実施しており、これまでに、106名(2022年3月末現在)が受講しました。

MS・薬剤師への研修および教育

MSに対しては、医薬品の有効性のみならず、それらを理解するための病態生理や医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)をはじめとする各種関連法規などについて、支店薬剤師を通じた研修および教育を行うとともに、オンライン研修によって個人で学習できる環境を構築しています。また、薬剤師に対しては、定期的に研修会を開催し、専門性の高い学術資料による啓発および情報共有を図っています。

※ MS(Marketing Specialist):医薬品卸売業の営業担当者

AR※1・DMR※2研修

MSの医薬品・検査試薬の知識向上と業務への活用をめざし、MR・DMR資格取得に向けた独自の教育プログラムを構築し学習支援を行っています。教育プログラムは、MR・DMR資格取得のための導入教育と、試験合格後にMR・DMRに必要な資質維持・向上のための継続研修から構成されています。継続研修では、適正な医療情報の提供・収集・伝達を確実に行えるように、公益財団法人MR認定センターと一般社団法人日本臨床検査薬協会で定められた「基礎・実務知識教育」「技能・実地教育」を個々のキャリアに準じ、生涯教育の一環として実施しています。具体的には「実務知識」として遺伝子、再生医療、がんなどの専門知識の習得、「技能実地」としてマネジメント、プレゼンテーション、コミュニケーションなどのスキルアップ研修を行っています。

※1 AR(Assist Representatives):MR認定試験に合格したMSや薬剤師などに付与した社内呼称

※2 DMR(Diagnostics Medical information Representatives):臨床検査薬情報担当者

通信教育

メディパルグループでは、実務に役立つ学習テーマに基づき、主体的なキャリア形成に向けたスキルアップを図る学習機会を提供しています。マネジメント、ビジネススキル、財務・会計、IT/パソコン、資格取得支援、外国語習得などのコースを用意しています。

公正な評価・処遇

メディパルグループでは、会社が期待する行動により、成果を上げているかを考課項目として設定し、原則として半期に一度評価を実施しています。賃金制度は、職務・役割・貢献度をベースとしており、昇格・昇給や賞与に人事考課を反映することで、公正な処遇や人材の能力と意欲の最大化をめざしています。
(株)メディセオでは、公正で納得性のある評価の実現に向けて、定期的に考課者研修を実施するとともに、半期ごとに部門単位で考課者会議を開催し、考課者間の判断基準・考課基準の統一を図っています。また、支店長・マネジャーを対象に360度サーベイ(多面評価)を行い、自己の日常の言動を客観的に分析し、結果を活かすことで、より効果的なマネジメントの実践に結びつけています。

※ グループ会社の一部において、評価内容は、雇用形態や職種によって違いがあります。