事業開発担当取締役メッセージ

積極的な成長投資による
新領域での価値創造を実現し、
メディパルならではの企業価値向上を目指します

株式会社メディパルホールディングス
専務取締役 IR担当 兼 事業開発本部長
依田 俊英

写真:株式会社メディパルホールディングス 専務取締役 IR担当 兼 事業開発本部長 依田 俊英 写真:株式会社メディパルホールディングス 専務取締役 IR担当 兼 事業開発本部長 依田 俊英

既存事業の強化と並行して積極的な成長投資を実施

メディパルグループは、3つの事業セグメントを有しており医療用医薬品、化粧品、日用品、動物用医薬品、食品加工原材料などの流通を通じて、人々の健康と生活を支える社会インフラとしての役割を担っています。これらの事業は現在の当社グループの基盤事業であり、安定したキャッシュ・フローを着実に生み出しており、今後も人材投資や設備投資を積極的に行い、さらに高い価値を社会に提供していきます。一方で、国内市場は成熟化が進んでおり、既存事業のみでは、これまでのような成長を実現することは容易ではないと考えています。そのような環境下においてグループとしての持続的な成長を果たしていくためには、当社グループの強みである流通網という既存インフラを深化させつつ、希少疾患患者さん向けの新薬開発の強化、さらには動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業において積極的な投資を行い、事業ポートフォリオを多角化させていくことが重要であると考えています。

現在、医療用医薬品卸売業界の収益構造は大きな転換期にあります。従来は生活習慣病などのプライマリ・ケア領域における流通と販売促進機能によって収益を生んでいました。しかし、この領域の新薬開発は一巡しており、特許の切れた医薬品はジェネリック医薬品に移行していきます。一方、製薬企業の研究開発は抗体医薬などスペシャリティ領域へシフトしていることから、市場ではスペシャリティ医薬品とジェネリック医薬品の二極化が進行しています。

こうした変化に対し、当社グループでは新たなビジネスモデルとして、保有する物流資本、人的資本、財務資本を最大限に活用し、超希少疾病用医薬品の開発事業を推進しています。

このように、当社グループの事業開発は既存インフラを活用して、幅と厚みを拡大していくことを基本コンセプトとしています。

スペシャリティとジェネリックの両領域での取り組み

ジェネリック医薬品とスペシャリティ医薬品の二極化が進行している国内医療用医薬品市場において、当社グループは独自のビジネスモデルである「PFM®*」によって、スペシャリティ領域における採算性の確保を実現しています。これは開発段階の医薬品に投資し、メーカーやベンチャー企業とリスクを共有したうえで、上市後は限定流通の権利とロイヤリティで対価を得る仕組みです。PFM®は一般的な投資ファンドと異なり、流通収益も加わるため、投資先のロイヤリティ負担が軽減され、全国の高機能物流網(ALC*)も活用できます。この取り組みは12年以上の実績があり、現在14品目の医薬品が臨床現場で使用されています。

また、ジェネリック領域では、国内3社のジェネリック医薬品メーカーの株式を保有するアンドファーマ(株)に出資しており、傘下企業間連携により、効率的な製造と流通の実現に取り組んでいます。

さらに、SBIインベストメント(株)と共同で設立したCVCファンドを通じて、医療DXやバイオ分野の有望なベンチャー企業への出資も進めています。

*PFM®:医療用医薬品の開発投資を通じて、製薬企業と共にリスクとリターンを共有するビジネスモデル
*ALC:医療用医薬品や医療材料、臨床検査試薬などを扱う高機能物流センター。主に調剤薬局、病院、診療所などに商品を供給

海外戦略ではアジアと欧米で異なるアプローチを採用

当社の連結売上高は約3.8兆円規模ですが、そのほぼ全ては国内市場でのものとなっています。今後、国内の人口が減少していくことは確実であり、成長のためには海外における収益機会を創造する取り組みが欠かせません。

アジアでは、中国最大の医薬品卸である国薬ホールディングスとの包括提携を通じて、北京にある医薬品卸2社へそれぞれ20%ずつ出資し、配当金としてキャッシュを着実に回収するとともに、国薬グループと連携し、日本製品の中国展開も進めています。

欧米では、既に流通体制が確立されており、医薬品卸として新規参入することが困難であることを踏まえて、患者数が極めて少なく参入障壁の高い超希少疾病用医薬品の販売によって進出していく計画です。現在までにJCRファーマ(株)からライソゾーム病の治療薬3品目のグローバル権利を取得しており、早期の発売に向けて臨床試験の実施など新薬開発を進めています。現在取り組んでいる超希少疾病用医薬品の開発事業は、発売後には従来の卸売事業よりも高い利益率の収益が見込まれます。そして同時に、超希少疾患などにおけるアンメット・メディカル・ニーズの解決を通じて「一人でも多くの患者さんを救いたい」という思いがあります。全国の医療機関をカバーするネットワークを持ち、約2,000名のMR*認定試験合格者がいるメディパルグループだからこそできる事業であると確信しています。

*MR:製薬企業の医薬情報担当者

アグロ・フーズ領域の強化により理想とする事業ポートフォリオへ

写真:株式会社メディパルホールディングス 専務取締役 IR担当 兼 事業開発本部長 依田 俊英

当社グループの事業ポートフォリオを多角化するため、動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業の強化も着実に進めています。

食品分野では、天然由来の食品素材(増粘剤など)で国内最大級のシェアを持ち、グローバル展開も行うMP五協フード&ケミカル(株)を2024年10月に子会社化しました。

また、動物用医薬品分野では、2026年1月にMPアグロ(株)が、動物病院向け電子商取引(EC)事業を展開するシグニ(株)の全株式を保有するシグニホールディングス(株)の株式を100%取得しました。動物用医薬品卸は地方ごとに小規模な企業が分散し、全国規模の卸がほぼ存在しない状況にあります。北海道・九州の畜産に強いMPアグロ(株)と、首都圏・関西・中京のコンパニオンアニマル※1市場に強いシグニ(株)のシナジーによる全国規模での販売体制の拡大・強化によって、業界のゲームチェンジを実現できると確信しています。今後は各事業の継続的な強化・拡大に注力していきます。

※1 伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物

より社会に貢献する企業となるために

当社グループの事業は、人々の健やかな暮らしを支えており、社会からの期待も非常に大きいと感じています。そして、社会環境の変化やテクノロジーの発展に伴い、社会からのニーズは多様化・高度化しています。このようなニーズにきちんとお応えしていくためには、既存事業の進化だけではなく、新しい領域での価値創造に挑んでいく姿勢が欠かせません。

メディパルグループは、今後も「医療と健康、美」の事業フィールドで社会的意義の大きい成長投資を着実に実行し、持続的な企業価値の向上を目指していきます。