社外取締役インタビュー

議論を尽くし
正しい経営判断につなげていく

株式会社メディパルホールディングス
社外取締役 岩本 洋

経歴:1981年に(株)第一勧業銀行(現(株)みずほ銀行)入行。エコノミスト、人事業務などを経て、みずほ総合研究所(株)専務執行役員企画管理本部長に就任。豊富なマネジメント経験と幅広い見識を活かし、大局的な見地から当社の経営への監督と助言を行う。

社外取締役としての気構えとガバナンス体制の在り方

社外取締役に就任してから1年余りが経ちましたが、当社の取締役会のガバナンスは十分に機能していると思っています。当社では議長をはじめ社内の役員の方々が、社外役員が経営に対する最善の助言ができるようにきめ細かな運営を行っていると感じています。事前の説明会のみならず、取締役会の場においても、社外役員の意見に真摯に耳を傾けていただいています。また、疑問点があれば議案の背景や経緯についての説明も付加され、社内の役員の方々がより正しい経営判断をしようと努めている姿勢をひしひしと感じています。こうしたことで、社外役員との情報ギャップを埋め、多面的な意見を踏まえた意思決定が行われていると認識しています。

私自身のキャリアは金融機関での人事業務やエコノミスト、シンクタンクのマネジメントなどです。当社の業界についてはこれまで関わったことはありませんでしたが、初めてだからこそいろいろな角度から情報を収集し、疑問点などを率直にぶつけながら私なりの切り口で発言しています。また、当社は現在、事業のポートフォリオを再構築する局面にあり、その基盤となる人事制度などを整備するステージにあります。これまでの私のキャリアをもとに貢献できることもあるのではないかと考えています。
また、いわゆるサクセッションプランについては、社内の役員、社外役員ともに問題意識を持っており、議論の途上にあります。一般論で話をしても意味のないテーマですので、まずは取締役会、あるいは任意の指名委員会などの枠組みで、この問題に社外取締役がどのように、またどこまで関わるのか、当社としての在り方を整理する必要があると考えています。

2027メディパル中期ビジョンの審議

新中期ビジョンについては、経営の根幹に関わる大きなテーマであるため、社内の役員と社外役員が一体となってさまざまな議論を行いました。その過程で、当初予定していた発表時期をターゲットとするにはまだ議論が足りないという共通認識が生まれ、最終的には議長のリーダーシップのもと、発表の延期を意思決定しました。そのプロセスに問題があったとは思っていませんし、むしろ取締役会としての監督機能が十分に発揮された結果であると認識しています。

社外取締役の大きな役割は、中長期的な企業価値向上の観点から経営の監督を行うことです。これは、決して執行側と対峙するということではなく、執行側と健全な関係を保ちながら、適切な情報提供を受けることで社外役員も含めしっかりと議論し、最終的に正しい経営判断につなげていくということだと認識しています。当社の場合、他の社外役員も基本的に同じ考え方を共有しているとともに、社長をはじめ社内の役員の方々も考え方は一致していると思っています。

さらなるガバナンス強化に向けて

取締役会の運営という点では、その実効性は確保されていますが、さらに実効性を高めていくために、現在いろいろと取組みを進めています。実務的には付議基準や報告事項の整理を行っていく必要がありますが、持株会社の取締役会として最も重要なミッションは、事業をグルーピングし、どのように資源配分していくかを意思決定することです。「2027メディパル中期ビジョン」のもと、グループとしての事業戦略を推進していくと同時に、そのためのインフラとして、人事戦略、財務戦略、リスク管理などグループ横断的な体制整備を進めていくこともまた重要な課題です。

リスク管理に関しては、コンプライアンス管理の問題などについてグループとして厳格に対応していますが、これに加えて、新規投資案件についてもリスク管理を十分に意識した審議が重要になってきます。取締役会が投資に関する最終判断を行う際に、多面的な角度から検討してリスクを指摘するためにも、形式的でなく、実質的な意味での取締役会構成メンバーの多様性が重要だと思います。そのうえで、絶えず取締役会でリスクに関する共通認識を持ち、中長期的な企業価値向上を図っていくことが大事だと思います。