価値創造の源泉

サプライチェーンの全体最適を
実現する物流機能

医療用医薬品等卸売事業

ALC(Area Logistics Center)およびRDC(Regional Distribution Center)は、メディパルグループが社会インフラの役割を担うための重要な物流基盤です。サプライチェーンの全体最適をめざして、欠品やミスのない確実な納品と、有事の際も止まらない盤石な流通の実現に努めています。 ALCは、医療用医薬品等卸売事業における物流拠点です。お得意様に近い場所に設置したセンターで、医薬品・医療機器・臨床検査試薬など20,000品目を超える在庫を有し、お得意様に直接お届けすることで、受注から納品までのリードタイム短縮を実現しています。2023年9月に13か所目となる阪神ALCが竣工しました。これにより、日本全国をカバーする医療用医薬品の物流プラットフォームが完成しました。

ALCの特長

検品時間の短縮

顧客の時間創出

納品箱のバーコードをスキャンすること(個口スキャン検品※1)による検品時間の短縮など、納品精度の高さを活かした物流機能や、PRESUS®※2、McHIL®※3といったALCと連動した業務サポートシステムによって、お得意様の業務効率化を支えています。

品揃え率

99%以上

20,000品目以上の多種多様な商品を適正に管理するために、出荷実績をベースにした需要予測システムを独自に開発し、品揃え率は99%※4以上と、品切れがほとんどない状況を実現しています。

超低温物流

-150℃以下

再生医療等製品などに求められる-150℃以下の超低温を含めたさまざまな温度帯に対応した保管・配送システムを開発し、全国どこにでもお届けできる温度帯別物流プラットフォームを構築しています。

※1個口スキャン検品:従来の伝票読み上げ方式から、納品箱単体でのバーコードスキャン方式に変更することで、検品時間を短縮する方法
※2PRESUS®:Pharmacy Real-time Support System ALCと連動して、需要予測による自動発注や在庫管理などを行うオールインワンのシステム。調剤薬局内の各種業務を支援
※3McHIL®:Mediceo Hospital Innovative Logistics ALCの機能とノウハウを病院内の物流に応用したシステム。院内物流業務の効率化を支援
※4常時在庫品揃え率は99.8%

化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業

(株)PALTACがめざすのは、生産から消費に至る流通プロセス全体に対する、さらなる最適化と効率化です。単に流通そのもののコスト削減にとどまらず、俯瞰的な検証に基づいて、流通プロセスと店舗作業におけるムダをなくし、メーカー様・小売業様の生産性向上を実現。99.999%という高い出荷精度をはじめ広く業界の壁を超えて評価をいただく(株)PALTAC独自のロジスティクスシステムは、今なお進化を続けています。その要となるのが、全国16か所に位置する大型物流センターRDC(Regional Distribution Center)。トータル50,000アイテムの販売計画・販売実績をデータベース化するとともに、メーカー様の適正生産量から小売業様店舗での在庫管理・陳列作業までをコスト合理化の対象として分析し、高品質・高精度のソリューションを提供しています。

RDCの特長

出荷精度

99.999%

JANおよびITFコードによるスキャン検品、重量検品などにより、ミスが極小な出荷精度を実現し、流通EDIへの対応が可能な高精度システムを導入しています。これにより、出荷のミスをなくすことでスピーディーかつムダのない物流を実現しています。

生産性

2

「SPAID※5」導入により、従来と同じ作業人員数で2倍の作業量を処理すること(生産性2倍)が可能となるだけでなく、物流機能強化に加え、危険作業や人への負担の多い作業をロボットに任せることなどにより「人にやさしい物流センター」を実現しています。

特許件数

18(2023年3月末時点)

高生産性とローコストを実現するための物流技術を追求しています。最先端のAIテクノロジーとロボティクスを駆使した新しい物流システムを構築するため、自社での技術開発も進め、特許を取得した機器・システムは18件に上ります。

※5SPAID: Super Productivity Advanced Innovative Distribution AIや最新のロボット技術・MUPPSなどを導入し、独自開発した次世代型物流センターのトータル管理・運営システム。従来と同じ作業人員数で従来比約2倍の作業量を実現する

持続可能な
人的資本経営の実現
~成長戦略と連動した人材戦略の推進~

共通の価値観を持つ多様な従業員を活かす人材戦略

メディパルグループは、「2027メディパル中期ビジョンChange the 卸 Forever ~たゆまぬ変革を~」と「ありたい姿」の実現に向け、「人材は、競争優位や企業価値を創造する源泉」という考え方のもと、“成長戦略”と連動した“人材戦略”を推進しています。当社グループには、「誠実」「倫理観」「使命感」を共通の価値観に持つ多様な従業員が集っており、一人ひとりの個性や能力、強みを大切にした人材戦略を遂行しています。積極的な人材投資を行い、潜在的な人的資本の価値を発掘・顕在化させ、ハーモニーを奏でるように融合してさまざまな可能性を追求していくことで、持続的な企業価値向上につなげています。

人材戦略の全体像

人材戦略の位置づけ

社会価値・顧客価値を創造しグループの持続的成長を図るため、「ありたい姿」の実現に向けた成長戦略と人材戦略との連動を特に重視し、施策にも反映していきます。具体的には、組織・人材それぞれの「ありたい姿」を定義し、その実現に向けた「ありたい人材ポートフォリオ」の構築を推進する人材マネジメント施策を展開します。これによりいかなる環境変化に直面しても、主体的に物事を考え、常に自己変革し、人々の健康と社会の発展に貢献し続けたいと考えています。

ニーズに応え
市場を創造する
新規事業

新規事業の位置づけと優位性

メディパルグループの新規事業は、従来のビジネスインフラの上に成り立っています。全国規模の流通プラットフォームや専門性の高い人材といった当社グループの強みを最大限に活用し、製薬企業、医療機関、医師・医療従事者のニーズに応え、市場を創造しています。2011年に取組みを開始したPFM®、ARによる適正な情報提供、PMS、リアル営業と融合を図るデジタル事業、海外事業を新規事業と位置づけています。当社グループの新規事業の優位性は、ポテンシャルのある有望なプロジェクトを初期段階で発掘し、社会貢献と収益獲得の両立が可能なビジネスモデルを構築する洞察力と実行力にあります。

ARによる適正な情報提供

ARが医療機関に対し適正な情報を提供し、医薬品の適正使用に貢献しています。また、専門性の高い知識を活かし、大手製薬企業などと情報の提供や収集業務を受託する契約を結んでいます。そのほか、希少疾病用医薬品や再生医療等製品などの専門性・特殊性を伴う流通にも携わっています。

PFM® (プロジェクト・ファイナンス&マーケティング)

PFM®とは、製薬企業などの新薬開発に当社が投資し、その上市が実現した後は投資に対するリターンを得る(プロジェクト・ファイナンス)とともに、医療機関への販売・流通(マーケティング)を優先的に行う事業です。

PMS製造販売後調査

PMSとは、医薬品や医療機器が販売された後に行われる品質、有効性および安全性の確保を図るための調査です。当社グループはPMS業務をプロトコールデザインから報告書作成までフルレンジで受託しています。

デジタル事業

優れた技術を持つICT企業と強力なパートナーシップを構築しており、医療機関への情報提供や、患者さんを中心とするヘルスケアのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。

海外事業

事業エリア拡大のため、海外進出の足場づくりを着実に進めています。2009年に中国の医薬品卸に出資を行って以降、海外でのビジネス経験を重ねており、ノウハウも蓄積され、人材も育ってきています。

新規事業の取組みによる業績貢献

PFM®(プロジェクト・ファイナンス&マーケティング)の意義と主な商品
希少疾病用医薬品の開発支援により、患者さんとそのご家族のQOL改善に貢献

PFM®は、主に希少疾病用医薬品の開発促進と安定供給を通じて、病気で苦しんでいる患者さんやそのご家族のQOL改善に貢献する、当社グループの社会的使命を具現化したビジネスモデルです。今後も、患者数の少ない希少疾病用医薬品の事業化と安定供給を支援します。

さまざまな分野の
パートナーとの
価値共創

メディパルグループにしかできない画期的なサービスを提供

多様化する社会ニーズに対応していくため、さまざまな分野の企業、医療機関、自治体との協業により、これまでにない新たなビジネスモデルの創造に取り組んでいます。当社グループの持つ製薬企業や医療機関とのネットワークに加え、全国をカバーする流通網や特殊温度帯下での医薬品流通技術などを活用することで、当社グループにしかできない画期的なサービスを生み出しています。

さまざまな分野の企業や医療機関・自治体との協業により、新たなビジネスモデルを構築

パートナーシップ構築における主な取組み

  • 2006年~ 医療の効率化

    2006年、メディカル・データ・ビジョン(株)と資本業務提携。2019年、同社の子会社である(株)Doctorbookとの共同による医療情報ポータルサイト「ClinicalCloud」の展開を開始しました。

  • 2016年~ 健康増進

    (株)エムティーアイと資本業務提携。同社の運営する女性と医師をつなぐサービス「ルナルナメディコ」や母子手帳アプリ「母子モ」の普及によるシェア拡大に向けた取組みを行っています。

  • 2019年~ 医薬品の安定供給

    三菱倉庫(株)と業務提携。市場出荷後から最終需要者までのすべての過程における全体最適な医薬品流通体制の構築をめざしています。

  • 2020年~ 物流機能の融合

    H.U.グループホールディングス(株)と医療・ヘルスケア領域における戦略的業務提携契約を締結しました。

  • 2020年~
    サプライチェーン全体の生産性向上

    大手調剤薬局グループやドラッグストアと共同でSDGs達成に貢献する新たな医薬品流通モデルの構築に取り組んでいます。

  • 2022年~ 海外での医薬品開発

    JCRファーマ(株)と、超希少疾病を対象疾患とする4つの新薬候補物質の、日本を除く全世界における事業化に関する独占的交渉権付与に関する覚書を締結しました。

人々の健康に貢献する新しいデジタルプラットフォームの開発をめざす

デジタル・ヘルスケア・プラットフォーム

医療・ヘルスケア領域におけるデジタル・ヘルスケア分野では、「リアル」の人によるコミュニケーションと、「デジタル」を介したコミュニケーションを融合することで、医療機関のみならず患者さんや生活者の健康の役に立つサービスを数多く提供しています。今後、医療や個人の健康管理にデジタルを活用していく流れが加速していくと予想しています。当社グループがそのプレイヤーとして存在感を発揮するため、デジタルヘルスケアのプラットフォームづくりに注力しています。

「母子モ」「Luna Lunaメディコ」「CARADAオンライン診療」「CARADA電子薬歴Solamichi」は、エムティーアイグループが、「ClinicalCloud」は(株)doctorbook提供するサービスです。

CVCを通じて事業シナジーを生み出す案件に積極投資

SBIインベストメント(株)と共同で「MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合」を設立しました。

  カテゴリ 企業名 事業内容 出資実行
1 医療機器 リバーフィールド(株) 東京工業大学発の医療機器ベンチャー。さまざまな手術支援ロボットを開発中 2021年8月
2 デジタルヘルス Holoeyes(株) CTやMRIの画像を3次元化し、手術やシミュレーションやナビゲーションを可能にす
るソフトウェアや医療従事者の教育支援サービスを開発・提供
2021年11月
3 再生医療 イノバセル(株) 便失禁と尿失禁領域に特化した細胞治療法を開発している再生医療ベンチャー 2021年12月
4 創薬(低分子) Chordia Therapeutics(株) がん領域に特化した研究開発型バイオベンチャー 2022年5月
5 医療機器 非開示 非開示 2022年8月
6 再生医療 ノイルイミューン・バイオテック(株) 固形がんに対するCAR-T細胞療法の研究開発を行うバイオベンチャー 2022年8月
7 創薬(抗体) (株)イーベック 感染症等に対する完全ヒト抗体の開発を行うバイオベンチャー 2022年9月
8 デジタルヘルス (株)レイヤード かかりつけ医機能を強化する医療DXと医療データの利活用をめざす
デジタルヘルスベンチャー
2022年12月
9 デジタルヘルス Pestalozzi Technology(株) 小中学校・高等学校向けに体力テストのデジタル集計システム「ALPHA」を開発・
販売
2023年5月
10 医療機器 (株)グレースイメージング 汗乳酸を測定する独自センサを用いた心臓リハビリ用医療機器の開発製造販売 2023年6月