活動報告・情報提供REPORT & INFORMATION
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A
- ADL
- Activities of Daily Living(日常生活動作)の略で、食事、着替え、お風呂に入る、トイレに行く、移動するなど、日常生活を送るために必要な最低限の動作のことです。
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α
- α-N-アセチルグルコサミニダーゼ
- ライソゾームの中で働く酵素のひとつです。α-N-アセチルグルコサミニダーゼが欠損すると、ヘパラン硫酸が分解できずに体内にたまります。
- α-L-フコシダーゼ
- ライソゾームの中で働く酵素のひとつです。α-L-フコシダーゼが欠損すると、フコースが分解できずに体内にたまります。
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β
- β-ヘキソサミニダーゼ
- ライソゾームの中で働く酵素のひとつです。β-ヘキソサミニダーゼが欠損すると、GM2ガングリオシドが分解できずに体内にたまります。
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あ行
- 易感染性
- 病気を引き起こす細菌やウイルスなどを防ぐ力が、何らかの原因で低下している状態のことです。
- 遺伝子
- DNAの中の、特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。
DNAは染色体という形で細胞の中に存在しています。ヒトの染色体は46本で、22対(44本)の常染色体と、1対(2本)の性染色体があります。 - 遺伝子治療
- 患者さんの体内へ正常な遺伝子を導入し、病気の原因となる遺伝子の変化を治療する方法です。
- 医療的ケア
- 自宅で家族等が日常的に行う、日常生活に必要な呼吸や栄養補給をサポートするための医療的な生活援助行為のことです。
医師や看護師が行う「医療行為」とは区別されています。
医療的ケアには、たんの吸引、チューブからの栄養補給(経管栄養)、人工呼吸器の管理などが含まれます。 - 医療的ケア児
- 日常的に医療的なお世話(医療的ケア)が必要な子どものことです。
- 嚥下障害
- 食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなる状態のことです。食べ物が気管に入ってしまい、肺炎(誤嚥性肺炎)を起こす可能性があるため、食事の調整やリハビリを行って対応します。
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か行
- 確定診断
- 診察やさまざまな検査の結果を受けて、最終的に病名を決定することです。
- 角膜混濁
- 黒目の表面にある透明な膜(角膜)が白く濁ってしまうことです。視力が低下したり、光をまぶしく感じたりすることがあります。
- ガングリオシド
- 主に神経細胞の表面にある脂質のひとつです。神経の働きを正常に保つために重要な役割を果たしています。
- 関節拘縮
- ひじ、ひざ、指などの関節が硬くなり、伸ばしたり曲げたりすることが難しくなる状態のことです。
- 肝脾腫
- お腹の中にある肝臓と脾臓という臓器が腫れて大きくなることです。分解されなかった物質が溜まることで生じ、お腹がふくらんで見えることがあります。
- 鑑別診断
- 似たような症状を持つ複数の病気を見分けるプロセスのことです。さまざまな検査をしながら可能性を絞りこみ、正しい診断へ至ります。
- 基質合成抑制療法
- ライソゾーム病の原因となる物質を作る速さを遅くすることで、体にたまりにくくする治療法です。
- キャリア(保因者)
- ある病気の原因となる遺伝子を持ちながら、自分自身は病気を発症していない人のことです。
例えば常染色体潜性遺伝の病気の場合、2本1組の遺伝子のうち、片方だけに病気の原因となる変化を持つ人が「キャリア」と呼ばれます。 - きょうだい児
- 病気や障がいのある兄弟姉妹がいる子どものことです。
- 血液脳関門(BBB)
- 血液中から脳への物質の輸送を制御するための、特別なバリア機能のことです。
- 酵素活性測定
- 血液や細胞の中に含まれる酵素の働きを調べる検査です。
ライソゾーム病は酵素の働きが弱くなることで発症するため、どの酵素の活性が低いかを調べることで、病気の診断につなげます。 - 酵素補充療法
- 体の中に足りない酵素を、点滴などで補充する方法です。英語の頭文字(Enzyme Replacement Therapy)をとって、ERTとも呼ばれます。
- 合理的配慮
- 障がいのある人の「これに困っている」という申出を受けて、負担が重くない範囲で周りの人が工夫や手助けをすることです。
例えば、車いすの生徒の教室移動時に来客用エレベーターを使用できるようにする、周りの音が気になってテストに集中できない生徒にイヤーマフの使用を許可する等です。
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さ行
- 自然歴
- もし特別な治療をしなかった場合に、その病気が時間とともにどのように進行していくかの、一般的な経過のことです。
- 常染色体潜性遺伝
- 遺伝の仕方のひとつで、常染色体にある2本1組の遺伝子の両方に病気の原因となる変異がある場合に、病気を発症する遺伝形式のことです。
- 神経変性
- 脳や神経の細胞が、病気の進行とともに少しずつ壊れ、その機能が失われていく状態のことです。
その結果、以前はできていたこと(歩く、話すなど)ができなくなったり、体の動きをうまくコントロールできなくなったりします。 - 新生児スクリーニング
- 赤ちゃんが生まれつきの病気を持っているかを調べる検査のことです。通常は、赤ちゃんのかかとから少し採血し、病気の検査を行います。
- 精神運動発達遅滞
- 言語や学習、運動などの発達が、同じくらいの年齢の子どもと比べてゆっくりである状態のことです。
- 脊柱後側弯
- 背骨が通常より後ろや横に曲がった状態のことです。
なお、背骨が正面から見ると後ろに曲がって猫背のようになる状態を脊柱後弯症、横に曲がった状態を脊柱側弯症といいます。 - 造血幹細胞移植
- 造血幹細胞という赤血球や白血球、血小板になる細胞をドナー(提供者)から移植する治療法です。骨髄移植と臍帯血移植があります。
ライソゾーム病では、患者さんに移植した細胞から、酵素を作る働きを持つ細胞が作られることを期待して実施します。
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た行
- 対症療法/支持療法
- 病気のつらい症状(熱、痛み、けいれんなど)を和らげるための治療やケアのことです。根本的な原因を治す治療ではありません。
- チェリーレッドスポット
- 眼科で眼の奥(眼底)を調べた時に、網膜という光を感じるスクリーンの中心部分が、サクランボのように赤く見えることです。
桜実紅斑とも呼ばれます。
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な行
- 難聴
- 何らかの原因で音が聞こえづらくなっている状態のことです。
内耳や蝸牛神経、脳の障がいによって起こる感音性難聴と、外耳や中耳に原因のある伝音性難聴があります。
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は行
- バイオマーカー
- 病気の状態や治療の効果を示す指標となる、血液や尿などに含まれる物質のことです。
特定のバイオマーカーの量を測ることで、病気の進行度や治療薬が効いているかを推定することができます。 - ピアサポート
- 同じ病気や障がい、同じような悩みを持つ人同士が、対等な立場でお互いに支え合う活動のことです。患者会や家族会での交流が、ピアサポートの代表的な場です。
- 被角血管腫
- 一部のライソゾーム病でみられる、皮膚にできる小さな赤いプツプツのことです。表皮近くの血管がふくらみ、角化することで生じます。
- ヘパラン硫酸
- ムコ多糖の種類のひとつです。
- ヘルニア
- 体内にある臓器が、本来あるところからはみ出してしまった状態のことです。ライソゾーム病では臍ヘルニア(でべそ)、鼠径ヘルニア(脱腸)が起こることがあります。
- 補装具
- 失われたり弱くなったりした体の機能を補うための器具のことです。メガネや義肢、補聴器、座位保持装置、車椅子などが該当します。
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ま行
- ムコ多糖/グリコサミノグリカン
- 細胞間の潤滑剤や接着剤のような役割を果たす物質のひとつです。
糖が長くつながった鎖のような構造をしており、ライソゾームの中で10種類以上の酵素によって分解されます。分解するための酵素が足りないと、ムコ多糖が十分に分解されず、ライソゾームの中にたまってしまいます。
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や行
- 薬理学的シャペロン療法
- お薬の力で不安定な酵素を安定させ、その働きを助ける治療法です。
- 予後
- その病気が今後どのように進行し、どのような経過をたどるかという、医学的な見通しのことです。
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ら行
- ライソゾーム
- 体の中でいらなくなったタンパク質や糖質、脂質を分解する細胞内小器官のことです。リソソームとも言います。
- ライソゾーム病
- ライソゾームの機能がうまく働かないことで、不要な物質が体に蓄積する病気の総称です。
ライソゾームでの老廃物の分解には多くの酵素が働いており、それぞれ違う物質を分解しています。どれかの分解がうまくいかないことで、細胞の中に不要な物質がたまり、症状が引き起こされます。現在、約60種類の疾患が含まれています。 - レスパイトケア
- 在宅で日常的に介護をしている家族が、一時的に休息を取り、心と体をリフレッシュするためのサポートサービスのことです。
(2024.01.22公開/2025.12.01更新)